もうすぐ令和6年度補正予算が閣議決定…ということで令和5年度の補正予算を振り返ってみる

第50回衆議院総選挙において、与党が過半数の議席を得ることができず、野党との政策連携の行方が気になるところではありますが、令和6年11月20日に与党と国民民主党の間で、補正予算の年内成立へ向けて合意がなされたとの報道がありました。

補正予算には毎年様々な中小企業支援施策が盛り込まれており、気になる事業所様も多いことかと思います。

今回は、上記のような状況に鑑み、補正予算の成立が少し遅れるかもしれませんが、改めて昨年度の補正予算の事業を振り返り、成立後の速やかな補助金等獲得の準備を行ってみてはいかがでしょうか?

ということで今回は、令和5年度補正予算の中小企業関連予算の一部について、その効果や評判を述べてみたいと思います。

①中小企業省力化投資補助事業 1,000億円(中小企業等事業再構築基金の活用等を含め総額5,000億円規模)

予算の内容:人手不足に悩む中小企業等のため、カタログから汎用製品を選んで行うような簡易なプロセスにより、省力化投資への支援を行う。

こちらは主に、事業再構築補助金や省力化投資補助金のための予算でした。

噂話程度ですが、省力化投資補助金についてはあまり申請者はいない模様…

カタログの充実や幅広い業種への対応が必要かもしれません。



こちらの補助金は補助金コンサルタントなどを介さないようにできており、スピーディーな支援が期待されています。
その反面、販売事業者の負担や販売事業者が不正を行う可能性なども否定できないことからまだまだ発展途上の補助金であるかとは思います。
今後の改善に期待です。

②中小企業生産性革命推進事業【2,000億円】

予算内容:生産性向上に取り組む中小企業・小規模事業者の設備投資、IT導入、国内外の販路開拓、事業承継・引継ぎを補助し、切れ目なく継続的に、成長投資の加速化と事業環境変化への対応を支援する。

こちらはものづくり補助金、IT導入補助金、事業承継・引継ぎ補助金などに活用されています。

今回のものづくり補助金は、補助事業実施期間が短く(令和6年12月10日まで)ご苦労なされている中小企業も多いと聞きます。
事業承継・引継ぎ補助金も設備導入に活用できる「経営革新枠」は早期に公募を行わなくなったため、設備投資を行いたい事業所様については、補助金が活用しにくい年度であったかといえます。

ただし、これはこの2~3年の間の補助金が濫用されていたころから比較してであり、既存の執行要領に戻ったとも言えます。

補助金については国債の多額の発行によるところにもあるため、より適正かつ適切な執行が求められます。

そのような観点から考えると、改めてその位置づけを考えてみることが重要であるとも思います。

③中小企業活性化・事業承継総合支援事業【52億円】

予算内容:財務上の問題を抱えている中小企業等に対して、収益力改善・事業再生等を支援するとともに、後継者不在の中小企業等に対しては、事業承継・事業引継ぎを支援することで、地域の経済と雇用の基盤を支える。

こちらは活性化協議会や事業承継・引継ぎ支援センター用の予算であると言えます。

中小企業を地域経済を支えるインフラと定義すると、その存続は地域経済における重要な要素となるため、引き続き、早期に課題解決を行えるような体制をとっておくことが重要となります。


中小企業における収益力が悪化した場合など速やかに相談をすることができる体制をより強固にしていく必要があると思います。

④日本政策金融公庫等による資金繰り支援【629億円】

予算内容:新型コロナウイルス感染症の影響のもとで債務が増大した事業者、物価高騰に加え、処理水放出に伴う風評や一部の国や地域による輸入規制強化による影響を受けた事業者の事業継続、賃上げ等に取組む事業者の支援等のため、資本性劣後ローンの運用改善を含む日本政策金融公庫等による資金繰り支援を行う。
※上記のほか、財務省計上分の51億円とあわせて、計680億円を措置。

100%政府出資である日本政策金融公庫等による資金繰り支援のための予算もありました。

コロナ用の融資の返済が始まり、事業所の資金繰りが著しく悪化する中、事業継続に向けた支援を行うための予算であるとも言えます。
新型コロナウイルス感染症の流行期に著しく増加した債務を減らすことができない事業所も多く存在し、今後も継続的な支援が求められています。



昨年度の補正予算による主な中小企業の施策は以上のようなものでした。
中には、制度設計がまだまだ改善が必要なものもあるかとは思いますが、個人的には補助金やM&Aなどを利用した詐欺や不正受給の温床になるような補助金を取りやめてより事業所のニーズが満たしやすい方向に行っているのではないかと思います。(←まだまだではありますが…)

本年度の補正予算ももうすぐ閣議決定されることかとは思いますが注視していきたいです。

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