未曽有の危機に備えるために 今のうちから経営改善を
2023年となって早3ヶ月が経過しました。
新型コロナウイルス感染症の蔓延に起因したマスク着用などの様々な要請についても徐々に緩和されてきており、花見やプロ野球における声出し観戦が認められるなど少しづつ日常が戻ってきている。
そんな感じがしてきている昨今ですが、日本の経済は未だ出口の見えない長いトンネルにいるようなそのような感覚です。
そのような期待とは裏腹に「2023年は世界の株式が一段と厳しい状況に置かれる」
昨年末からそのような観測が多く聞かれていますが今でもそれは変わりません。
むしろその実感がわいてきている。
そのような気さえいたします、
株式会社四季報オンラインは2022年末に次のような記事で株式市場の動きの停滞を予測しています。
「2023年、世界の株式が一段と厳しくなると見る10の理由」
株式会社四季報オンライン 2022年12月31日 より引用
今だ収束の兆しを見せない新型コロナウイルス感染症やウクライナ戦争を主な要因とした物価高、原油高に加え、アメリカの金利の高止まりなど一層混迷の度合いをましておりこのままでは長期的なスタグフレーション(=不況下におけるインフレーション)になることが懸念されています。
スタグフレーションというと1970年代のオイルショック時などが世界を襲いましたが、不況なのに物価があがるという状況は、賃金の停滞や減少による消費の抑制に伴う悪循環を生みだしてしまいます。
中小企業としても値上げは消費者の購入意欲を減少させてしまうことは極力避けたいところではあるでしょうがそうも言ってはいられない状況がすぐそこまで迫っている可能性があるのです。
それではスタグフレーションといった危機的状況に備えるためには何が必要なのか?
対処法の一つとして事業計画の作成があります。
ということで今回は事業計画を策定するメリットについて説明していきます。
計画の策定
「事業計画を策定しましょう」
といった提案をさせていただくと、
「どうせ計画だから意味ないよね…」
このような回答が返ってくることがあります。
私から言わせていただくと答えは
NO
です。
事業計画の策定には様々なメリットを受けることができます。
メリット その1 事業に必要な行動が明確になる
事業を行うにあたって色々なアイデアが浮かんでくると思います。
アイデアが浮かぶことは素晴らしいことなのですが、この頭の中に浮かんだアイデアというものは不確実極まりないものです。
「そのような不確実なアイデアを可視化することができる。」
事業計画にはそのようなメリットがあります。
そもそも事業を行うということは、なにをするのか、方向性はどのような方向をめざすのか、予算はどの程度必要でどの程度余裕があるのか、売上や利益はどのくらい見込めるのか、その売上を目指すにはどの程度の人員や設備が必要なのか
少し考えただけでも様々なことを考えなければなりません。
そのような考えを可視化することでその考えの良い点や悪い点に気づくことができさらに良い事業が運営できるようになります。
メリット その2 他人に知ってもらうことができる
経営者自身の頭の中にあるアイデア、計画を可視化するということはその内容を他人に知ってもらうということです。
ここで言う他人とは、従業員といった社内の人間や金融機関等のことを言います。もし、出資を募るのであれば投資家なども含まれます。
他人に知ってもらうことで次のような効果を得ることができます。
・従業員が指示を待つことなく主体的に行動し易くなる。
・金融機関からの融資や投資家からの出資に対してのプレゼン資料となる。
このように、事業計画を他人に知ってもらうということは色々な効果があります。
また、計画における稚拙な部分などの指摘を受けることでよりよい事業展開が可能になるといったことも挙げられます。
自社内における目標の共有は社内の団結力の強化にもつながるので是非計画書の策定をお勧めいたします。
メリット その3 実行力が上がる
経営者自身が考える経営の未来像を可視化するということは色々な分析がなされていることであるとも言えます。
そのように自社の内部環境や自社を取り巻く環境が分析されていれば自社商品のターゲットが明確になったり、進出してはいけない市場が事前にわかったりといいことだらけです。
これにより、計画の実行力が向上し、成果を上げやすくなります。
また、計画が失敗した場合においても、振替りを行いやすくなるため、次の事業展開の際に失敗した点を踏まえた事業展開が可能となるためより成功の精度を上げることが可能になります。
メリット その4 資金繰りが予測できる
不況下においては、このメリットが一番重要であると思います。
資金繰りを予測することで、他社に先駆けて金融機関などと資金繰りへの備えが可能となります。
資金繰りを安定化させることで不況を乗り切ることが可能となります。
赤字でも倒産はしませんが、資金繰りが難航すれば黒字でも倒産してしまいます。
スタグフレーション状況の場合は、物価がどんどん上昇していくために、資金繰りがあっという間に難航してしまいます。
「今の安定が明日の安定に繋がらない」
そんな時代が目の前まできているのです。
最後に
いかがだったでしょうか。
中小企業に事業計画は不必要だという意見はよく聞きますが、作ってみると以外と活用する手段はあるものです。
事業計画の重要性について、少しでもご理解いただけますと幸いです。
大企業は賃金の増加を積極的に宣伝していますが、中小企業との取引額の単価を上げてくれるか否かは未知数です。
むしろ中小企業との取引額は利益をねん出するためにさらに厳しい要請をされる可能性さえあります。
そのように中小企業にとって圧倒的に危機的な状況がすぐそこまできているかもしれません。
手遅れになる前に自社の防衛力を強化するために事業計画を作成し、金融機関などと早めの調整を行ってみてはいかがでしょうか?
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