企業買収時におけるリスクを低下させる3つの方法

前回は、企業買収時におけるリスクについてお話をさせていただきました。

今回はそのリスクに対しての対処法についてお話させていただきます。

M&Aは今後企業を早期に成長させるには非常に有効な手段となってきます。

リスクをしっかりと検証し、対処法を確立することでM&Aによる効果を最大限にしたいものですね。

企業買収時におけるリスクの種類

企業買収時におけるリスクについては大きく分けると次の4つに分類されます。

①法務面のリスク

②財務面のリスク

③労務・人材のリスク

④経営のリスク

各リスクについての詳細は、こちら↓のブログをご確認ください。

リスクへの対応

デューディリジェンス(DD)の重要性

デューディリジェンスとは譲渡企業の企業価値や将来性、リスクを調べる事前調査のことになります。

こちらを怠ると、企業価値の正確な評価ができず企業買収が高い買い物になってしまったり、潜在的なリスクを見抜けず損失をこうむったりといった事態に遭遇してしまいます。

デューデリジェンスには次のようなものがあります。

・財務デューディリジェンス

・法務デューディリジェンス

・事業デューディリジェンス

・人事デューディリジェンス

・税務デューディリジェンス

・ITデューディリジェンス

いずれも経営のために重要な事項です。

譲渡元企業の実態を把握するために必要不可欠な事項であると言えます。

デューデリジェンスは、公認会計士、税理士、中小企業診断士など各分野における専門家に依頼することが一般的です。

専門的な知見により、事前にリスクを把握することが重要です。


なお、最近の中小企業におけるM&Aでは買収をスピーディーに実施することに重点をおくことを目的とし、デューデリジェンスを簡易化するといった方法がとられることがあります。

買収先と自社の状況に応じて、適切なデューデリジェンスを実施しくことが重要です。

表面保証条項を規定

表明保証条項とは、契約に関する事項が正確であると表明する条項のことを言います。

契約締結後、表面保証に反した事項があれば、購入者は保証を請求することが可能です。

例えば、財務面のリスクである簿外債務(帳簿に記載されていない負債)が存在しないと表明した場合において、契約締結の後、簿外債務の存在が判明した場合は、この条項に基づいて、損害賠償の請求が可能となります。
デューデリジェンスにおいて見つからなかった瑕疵が買収後に判明することはよくあります。
適切なデューデリジェンスと表面保証によって担保をしておくことが大切です。

表面保証とはデューデリジェンスによって発見できなかったリスクに対する保険を掛けることができるのです。

企業統合への対応

企業の買収とは、異なる企業を自社に取り込むことです。
つまり企業と企業とを統合することになります。

企業の買収後は、譲渡企業と譲受企業の経営方針や業務フロー、従業員の意識などを統合する必要があります

この一連の流れをPMI(=Post Merger Integration)といいます。
実はM&Aを成功させるための一番重要なポイントがこのPMIであると言われています。

PMIに関しては、こちら↓のブログをご確認ください。

PMIは異なる企業風土、システム、従業員などを自社のカラーに変えシナジーを生み出すために必要なことです。

PMIの失敗からM&Aのメリット、シナジーを享受できなかった企業はたくさんあります。

M&Aの初期段階からしっかりとした経営統合計画を練っておく必要があります。



M&A実施時のリスクに関する対処法に関しては以上となります。

異なる企業を統合するということは、様々なリスクが存在することになります。しかし、しっかりとした計画と理念をもった統合を行えばそれは企業を大躍進させる大きな原動力とすることが可能となります。

この混迷の時代、M&Aによるスピーディーな企業成長戦略を採用してみませんか?

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