事業承継が必要な4つの理由

帝国データバンクによる、後継者の不在率(2023年)が昨年発表され、改善傾向にあることがわかっています。

①後継者「不在率」、過去最低53.9% 前年比3.3pt低下 後継者問題は改善傾向続く

②事業承継「適齢期」の60代は不在率40%割れ 都道府県では改善傾向に差異も鮮明

③事業承継、「内部昇格」が35.5%、就任経緯で初のトップ 「脱ファミリー」化加速

④後継者候補、「親族」「非同族」の割合が拡大 「ファミリー」承継は低下傾向

以上、帝国データバンクホームページ「全国「後継者不在率」動向調査(2023年)」から引用


改善の傾向がみられるものの依然として後継者の不在率が高い率で推移していることがわかります。

事業承継が適切に行われていなければ事業所にとって、どのような不利益を被ってしまうのか?

今回はその点に重点をおいてお話いたします。

事業の円滑な継続

当然のことながら事業承継ができなければ、経営者がお亡くなりになられた際、事業の廃業を行わなければならなくなります。

事業の存続の可否は、取引先・顧客にとっても重要なことであり、時には取引先等の存亡に係る場合もあります。

その他、借入を行っている金融機関などのステークホルダーからの観点も事業の継続は重要な観点であり、円滑に承継を行うことで安心感を与えることになります。

相続トラブルの回避

(法人において)中小企業の強みである「迅速な意思決定」に必要なものとして、「高い議決権割合=株を多く保有している」という点が挙げられます。

この株式は、経営者(=現在の株の保有者)の財産となります。

中小企業において、事業を承継することは株式を移動させることにもつながります。つまりその時点で相続の問題が発生することになるのです。

明確な後継者の選定を行っていない場合は、相続財産の分与が明確にされていないということにもなりますので、親族間において不要な争いを招くことにも繋がりかねません。

雇用の継続

事業の継続を断念してしまうということは、今まで自社で雇用していた従業員にとって職場を失うこととなります。

高齢化の進む日本において、高齢になってきているのは経営者だけではありません。従業員にも同様のことが言えます。

一般的に高齢になればなるほど新たな職場への転職は困難になることが想定されます。

転職がうまくいかなければ従業員を路頭に迷わせることに繋がってしまいます。

廃業に係るコスト・労力の問題

廃業時においては、今まで使用していた事業用資産の処分、退職金の支払いなど多額の支出が発生してしまいます。

そのため、廃業後に手元に残る資金が予想以上に少なくなってしまい、老後の資金が枯渇してしまうことも想定されます。

老後に安心して生活を行うためには一定の資金が必要となってきますので、この点は考慮する必要があります。

事業承継の種類

事業承継には次のようなパターンがあります。

自社のおかれた状況を踏まえ、適切な承継手段を選択する必要があります。

親族承継

一般的に中小企業における事業承継で最初に候補に挙がる承継方法であると言えます。

従業員やステークホルダーからの賛同を得られやすいといった特徴を有するほか、贈与や相続における節税制度、スキームを活用しやすく後継者の負担を軽減しやすいといったメリットが存在します。

その反面、親族後継者に必ず経営のセンスがあるとは限らず、古参の従業員との軋轢を生んでしまうパターンや借入金の個人保証などへの嫌悪から当事者や他の家族からの反対を受けることがあるといったデメリットも存在します。

従業員承継

親族内において候補者がいない場合において、次に検討される承継手法の一つです。

自社のことを熟知している従業員に承継させることで、後継者育成の時間を確保しやすかったり、親族承継と同様に従業員やステークホルダーからの賛同を得られやすいといった特徴を有します。

しかし、株式を購入するための資金を保有しておらず個人において借入が必要となることで負担を背負わせたり、従業員としては優秀であっても必ず経営者としては優秀ではないケースも存在するため一定のリスクは生じるといったデメリットはあります。

従業員への承継においては、候補者は親族よりも多数存在することが多いのでしっかりとした選定を行うことが重要となってきます。

M&A

上記2点において候補者がいない場合などにおいて選択されることが多い承継手法であると言えます。

売却することで現在の経営者は現金を獲得することとなり、老後資金に充当することなどが可能となります。

しかし、必ず売却できるとは限らず、また自身が思っているよりもはるかに安い金額で契約を結ばなければならないことも想定されます。

また承継後においては、自社の企業文化と譲り受け企業との企業文化が上手く融合せずに結果、経営の混乱を招く可能性もあります。


いかがだったでしょうか?

事業承継の促進は企業にとっても地域にとっても有益である反面、円滑な実施には課題も多く存在します。

課題の解決に一番重要なことは、早期に計画を立案し課題を可視化することです。

家族間においてはナイーブな問題もある場合もあり、なかなか着手できないといった声も聴きますが後手後手に回ってしまえばより助教の悪化を招くことになります。
事業の継続は様々な方に影響することでもありますので前向きに検討することが大切です。

なお、現在では国の機関である「事業承継・引継ぎ支援センター」が積極的に支援を行っていますのでこのような機関の活用もご検討されてみてはいかがでしょうか?

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